全体的にとてもレベルが高く、驚きました。

お役に立てたかどうか……、心配でもありますが、ふだん使わない脳の回路を使ったので、

心地よい疲れとともに、こちらもいい刺激を感じております。

自分の書きたいものと、実際に書かれたものとの齟齬に忸怩たる思いを抱えながらも、

それでも書かなければならない――その衝動をずっと忘れないで、これからも書きつづけていってください。

一つだけたしかであるのは、楽しく書いたほうが、人生が断然豊かになるということです。

松波さんもおっしゃっていることですが、「大説」ではなく、たかだかちっぽけな「小説」であり、余計な力みを抜いて挑むべきだと思います。脱力して、視界を広く保ちましょう!

ああでもない、こうでもないと、小説の展開を頭のなかでこねくりまわして、思考する過程も、私は今ではとても楽しく感じています。

そして、その思考通りにうまくいかないこともふくめて、できあがった産物こそが、みなさん独自にしか書けない「小説」だと思います。

デビューすることがすべてではないし、デビューしたい人も、決して焦らず、長い人生の通過点に過ぎないという気持ちで挑んでください!

(朝倉宏景)