小説における「失敗」という問いに、受講者各人がそれぞれ自覚と多様な解釈とをもって答えてくださり、創造的なものがたくさん出てきたと感じました。失敗する自由も含めて小説なのだと信じたいです。直接的な後悔や諦念などより、作品を通じて過剰さや攻めの姿勢が多く見られ、創作の衝動や習慣について、また書く困難とその克服などについて語ってもらい、とても刺激ある5時間(!)を過ごさせていただきました。何よりその果敢さ、根気と体力を武器に、これからもずっと小説に寄り添っていてください!

……今回ゲスト講師として参加した私、「根拠なき自信家にして根は心配性の」「こっそり野望を抱くが堅実派の顔をしている」「きっとお調子者なのに恥ずかしがり屋な一面も多分に併せ持つ」「怖いもの見たさから無謀になる一方で危険予測を重視する」といったアンビバレントでアンバランスな性格が失敗を招きやすいのではないかと自己分析する小説家、青木淳悟