いろいろなものから影響を受けてください。節操もなく影響を受ける、くらいで良いと思います。いろいろなものを真似してください。それでも残るのがあなたの書き方の癖だったり、あなた自身の偏りだったりします。その特徴はあなたが書きたいものと一致しているわけではないかもしれません。でも意識すると良いと思います。ひとつの作品に対して、自分は自分の書き込める要素をどれくらいの力配分で書き込んでいるのか、それらの要素が全体の構造をどのようになめらかにしているのか、もしくは歪ませているのか。料理みたいな感じかもしれません。この舌触りの丸さはもしかして味の素を入れたから?みたいな。作る過程への思い入れが味を変えたりはしないですよね。自分が作ったものへの感想を、ご飯食べた時みたいに味をメインに感じることができると、「次」をどんどん作っていくことも楽しくなるかもしれません。思い入れも大事です。思い入れ、というちょっと大変なものと、「次」を重ねる、という反復練習のようなもの。これは「小説」だけじゃなく、いろんな「仕事」だったり「スポーツ」だったり「遊び」「勉強」の話でもある気がするのですが。
どうもお世話になりました。私がいたことがなにか少しでもみなさんにとって有意義であれば…。またどこかでみなさんの小説と出会えますように!
(大前粟生)