事務局として二ヶ月近く綿密に調査をさせてもらったのですが、やはり受講者の〝涙〟までは確認できませんでした。ホームページ内の「受講のことば」(https://sosaku-center.ho-sendo.com/cotova/)にもあります通り、たしかに受講者のみなさんにはみなさんなりの特異な表現によって満足もしくは感動されたことはあったようですが、〝涙〟までは流されていなかった。やはり講師の脚色・文飾の涙だったのでしょう。
宿痾・悪癖とも言えるのでしょう講師の一種の倫理観の欠如を裏付けるように、この二ヶ月の間に事務局として看過できないTwitterも確認できております。すでにみなさんもご覧になったのではないでしょうか?
作家の太田靖久さんと文芸評論家の川口好美とのやりとりの中で、〝泣いちゃうんじゃないでしょうか!?〟だの、〝もらい泣きしてしまうんじゃないでしょうか!?〟だの、〝お二人ともすでに泣いてます〟だの……〝講師〟と呼ばれるのに到底ふさわしくない発言が認められました。そもそも〝涙〟や〝泣くこと〟を軽んじてしまっているのでしょう。太田さんも川口さんも辟易しているじゃありませんか?
時には行政・上尾市さんにお世話になったり(https://twitter.com/ho_sendo/status/1433315452797665281)、「小説実演」(https://sosaku-center.ho-sendo.com/show-sets-0/)等の講師のジコマンに付き合わされつつ、まがりなりにも足かけ4年・十一期間続いてきた当・創作センター。ここで終焉を迎えるような筆致についなってしまいましたが、このような場が貴重だとは事務局も認識しております。ご受講のみなさんが提出された小説を事務局のこちらは読んでおりませんが、「受講のことば」やみなさんから頂いた感謝のメール等の方はもちろん拝読していて、このような小説を書き合い読み合うという名目を持つ「創作センター」という場は、やはり貴重な……
「だまってきいていれば、いい加減なことをずっと」
え?
「事務局がもっともっと〝小説〟的じゃないと」
そこにいらっしゃっていたんですか……
「この先の創作センターはない」
講師……
「事務局もきちんと受講者の小説を読まないといけないし」
あのぅ
「受講者の涙にもきちんと気づかないといけない」
涙は流していなかったようですよ
「読み方が足りないんだよ、事務局は」
脚色・文飾のために〝涙〟を用いる講師の方こそ、いかがなものかと……
「ココロの、だ」
ココロの?
「ちがう、コ➘コ➘ロ➘のじゃない」
はい?
「コ➚コ➚ロ➚というイントネーションだ、ずっと上げる」
はあ……
「体の内側から湧き上がってくる涙だ」
……
「ココロの涙に気づけない、認めない事務局では、創作センターの未来はない」
ココロの涙……
「今も泣いているんだよ、受講者たちは……泣き続けているんだよ、ワンワンと」
ワンワン
「ワ➘ン➘ワ➘ン➘じゃなくて」
ワ➚ン➚ワ➚ン➚?
「……」
……
「……まだ来ぬ受講者たちも泣き続けているし、オレだって泣いている」
全然泣いていないじゃないですか?
「泣いている……んだ!」
大丈夫ですか、講師?
「あんたも泣いている」
泣いていないですよ
「あんたの涙がオレそのものなんだ」
はい?
「だから、あんたはオレの存在に今さっきまで気づけていなかった……」
何をおっしゃっているのかがよく……
「よし、きめた」
ん?
「オレが来期はやる」
おっ、やっぱりやってくださるんですね
「事務局を」
え?
「オレが事務局をやって」
講師が事務局?
「第十二期の講師はすべて外からお招きする」
本気ですか?
「一期三回は変えないまま、一回ずつ別々の講師をお招きして」
え……
「自由にテーマや制限枚数なども決めてもらって」
三名も呼んだら、事務側の取り分が……
「だいたい事務局がマージンや会場使用料をとり過ぎだったんだよ」
ほとんどなくなっちゃいますよ
「受講料は24000円にして」
そうですか……
「会場使用料と事務手数料で各回1000円ずつだけ頂戴して」
ほとんどボランティアになっちゃうんじゃ……
「小説講座の事務局なんか、ほとんどボランティアでいいんだよ」
え……でも
「鍼灸院の方であんただってもうたんまり儲かっているだろ」
てへ
「松波〝全集〟太郎の方でも……」
まあ
「あとは、すべて講師のギャラに」
そうなりますか……
「事務のオレは〝小説的〟に来期は引っこむ」
〝小説的〟に……
「〝小説的〟に事務の任務にあたるだけだ」
でも、なんか面白そうかも……講師もテーマも……わたしも受講してみようかな?