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しゃべったりすんのはそんなに嫌いじゃないんすけど、書いたりすんのは昔から国語とかも1とか2だったんで苦手なんで、読みづらいかもしれません。ちなみに読んだりすんのも昔から苦手ですけど、そんなに字を書いたり読んだりすることがエライんでしょうか? 今回の松波のふるまいは許しがたい。パワハラの一種みたいなもんじゃないかとも思ってます。訴えたら絶対勝てる。ああいう小説家がいると、小説のイメージ全体がもっともっとこっちから離れてって悪くなってくと思うんで、すぐにしめ出しちゃってください。もとはこんなことを過去にしてたヤツなんです。

1

「まぁいいんだよ、おまえたちは小説なんか読まなくても」というように発言したような気にもなってくるけれど、はっきりとした記憶は残っていない。「活字なんか読まなくても」

「あぁッ!?」

 と凄んで返されたことの方をいささかはっきりと憶えているくらいだ。

「あぁ? だとッ!?」

 というようにそのままオウム返しじみて言葉を返したような気もしてくるし

「おまえたちにはどうせ」

 というように凄んでくる相手の反応にはいちいち触れずに続けて

「じっと活字を見つめて、活字から末広がっていく世界や風景を想像・創造」というようにここはきっと同じソウゾウの音を重ねた気がするし「する力がねぇんだからよぉ」

 とべらんめえ口調になっていたような気にも、今になってかられてくるし

「早く家に帰って、ワンワンうるせえテレビのバラエティーでも見てろって」

 というような捨て台詞めいた言葉も吐いていたような気にもなってくるし

「……はぁ」

 あるいは何も言葉を返していなかったような気にもかられてくる……その晩はかなり度数の高いアルコールをたくさんあおっていたはずだ。

「おい、大丈夫かよ?」

 吐いていたのは言葉ではなく、そのまま吐瀉物だったような気にもかられてくる。

「そんなに気分悪そうにして」

「……あぁ」

「ビールを飲みすぎたんじゃないのか?」

「……ビール?」

 そんなに度数の低いアルコールで酔うことなどはない。

「それもまだ二、三杯だろ?」

「……二、三杯?」

 いや、やはりこれは記憶違いかもしれない……

「こんなに震えて」

「……うー」

「大丈夫か?」

「……寒いんだ」

 それでもこのようなやりとりはひとりでに続いていく……

「寒いのか?」と気遣ってくれているようにも感じられるこの相手は、いったい誰だったか……「今は真夏だぞ」

「……真夏?」

「そうだよ、八月だよ」

「それも八月のどまん中」

 とまた別の声がきこえてくるからには、やはり相手は一人や二人ではない……

「今日は日中も三十六度だったみたいだし」

「夜になったらちょっとひんやりしてきたけどね~」

 と性別も異なる声も脳裏のさらに向こうからきこえてくる……

「空調が効きすぎたのかもね~」

「アタシと席替わる、タロー?」

 となれなれしく呼んでくる者の声もしてくる……

「……あぁ、どうも」

 とそのままおとなしく礼を一言のべて空調が直接当たらない席に替わってもらったような気もしてくるし、その〝 おとなしさ 〟に名前柄嫌気がさしてきたような気もしてくる……

「……タローって犬みたいに呼ぶな」

 ペット扱いしやがって……というようにも続けていたような気がする言葉とかち合う形で、何を今さら言ってんのよ……というようにもその内の一人から返された気にもなってくる。

「ずっと呼んできたじゃない」

「何を今さら」

「何を今になって怒ってんのよ」

「学生時代からずっとでしょ」

 と句読点じみた間が空いた所で便宜的に〝 「」 〟で区切ってみるも、もしかしたら一人による発言の長文かもしれない……

「最初は〝 松波さん 〟って呼んでいたら、なんだかよそよそしすぎるって言い出して、たしかそう、二年の夏休みの今頃に。それから〝 太郎くん 〟になって、〝 う 〟ははっきり発音しなくていいとか言い出して、タローってのばすんでいいとか言い出して、犬みたいでもいいってたしか自分でも言い出して……」

 とだらしなく続いていく口からの言葉についても、職業柄だろうか……文章をきり詰めてムダのないものに仕上げていく推敲の必要性の方を強く感じてしまう。

「……〝 言い 〟にそんなに〝 出す 〟を何回もつけるなよ」話の中身については、今ひとつ頭には入ってこなかったように思う。「……〝 出す 〟のインパクトが薄れるだろ」

 と実際に今この文章をしたためている机上の原稿用紙に向かってもついつぶやいてしまっているので、数名の相手を前にしても当日言い放っていたのかもしれない。

「……それに〝 ら抜き 〟はやめろよ」

「ラヌキ?」

「……〝 ら抜き言葉 〟はやめろよ」

「ラヌキ言葉って、何だよ?」〝 言葉 〟はきちんと言葉として伝わっているような口ぶりではあったように、今になって思い出されてくる……「タヌキ? タヌキ言葉って何だよ?」

 正しい記憶であるかはわからない……

「イヌ扱いされたからって」

「やり返そうとしてんだろ、タヌキで、オレたちを」

 しかし正しい言葉づかいの方は酔いが回れば回るほど強く求めていたように感じられてくる……

「……文法ムチャクチャだな」

 〝 オレたちをタヌキでやり返そうとしてんだろ 〟とより正しいように感じる文法に正してから、ここは〝 ら 〟じゃなくて〝 い 〟だと付け足す。

「……〝 やり返そうとしてる 〟ではなくて、〝 やり返そうとしている 〟だ」

 育ちや出た学校が悪いようにも扱った言い方をしたかもしれないが

「いちいちうるせえよ」彼ら彼女たちとは自分も一時期同じ学校にいたはずだった。「そんなこと、いちいち言うようなヤツじゃなかったぞ」

 同じ大学にいたはずだった。

「……もうおまえたちもいい歳なん……なのだろうから」

「はぁ?」

「……ちっとは……ちょっとは」とみずからの言葉の方も正していきながら、過去を思い起こそうとしていたように思う。「……ちゃんとした……きちんとした日本語をしゃべれ……話せよ」

「何様なんだよ」

 どういう繋がりだったのかまでは今ひとつ思い出せないままである……

「……べつに何様でもねぇよ」きっと何か同じ講義にでも受講していた仲とかだろう。「……ないよ」

「ったく」

「バカにしようとしやがって」

「もう帰ろっかなぁ」

 本当にわたしはこんなやつらと一緒に講義を受講していたことなどあるのだろうか?

「……帰れ、帰れ」

「そんなに小説家ってエライのかよ?」

 という言葉が突然きこえてきた気がする。

「……はい?」

 あるいは本当に一名二名帰宅していった後になって、沈黙を破るようにきこえてきただけのことかもしれない。

「エライのかよ、エライのかよ、エライのかよ」

 と破ったばかりの沈黙をみずから縫い合わせていく糸のようにもこだましてきているので、うまくこちらから言葉をさし挟みづらくなっていることもあるし

「エライのかよ、エライのかよ、エロイのかよ、エライのかよ」

 と三、四回に一回程度〝 エロイ 〟にきこえてきていることもあって、主題が散らされているように感じられることもあるのだろうし

「小説家って、そんなにエロイのかよ?」

 わたしみずからがそのようにあえて誤って聴きとって、主題を散らそうとしているようでもある。

「小説家って、そんなにエ・ラ・イんでしょうか?」

 と少し口調を改めて問いただしてこられようとも、わたしには言葉を返しようがない気分にかられる。

「……えーと」いまだに返しようがない……「……そのぅ」

 と机を前にしていても、次の語がうまく出てこない。

「……まぁ」強く否定したいというわけでもないのだろう。「……そうなのかもね」

 あくまで一介の小説家であるわたしがわざわざ答えなくとも、すでに答えは定まっているようにも感じられてくるのだ。

「……そうなんでしょう」

 とようやくつぶやいて返してみた時には、すでにこの建物の中には誰もいない……

「……エライんでしょう」

 そもそもどこで〝 ビール 〟を飲んでいたのだろう……

「……エロイかは個々人で違うんだろうけれど」

 などとも少し気を利かすように付け加えてみても、誰も笑わないし、誰も反論してこない……

「……ぼく個人はそうでもないよ」

 と自分でも野暮ったく言葉を重ねてみても、一向に反応はない……

「……おーい」

 かろうじて風や鳥のさえずりや、遠くで法定速度を遵守しているような自動車の音がきこえてくるくらいだ……

「……んー?」

 もしかしたら、屋外で飲んでいたのかもしれない……だから常に寒気も感じ、ビールでもすぐに気分を悪くし、記憶の方もあいまいにさせられているのかもしれない……

「……空調がきついよー」

 などというやりとりは、本当はしていなかったのかもしれない……すべてはわたしの記憶違いかもしれない……

「……おーいー」

 わたしが今文章をしたためているこの場所も、どこまでが屋内で屋外であるかが……

「……はぁ」

 だんだんとわからなくなってきている……ように、少なくとも感じられる。

「……あぁ」

 一人とり残されたようでもあるこの場所に、やがてピンポーンという音が響いてくる……

「……ピンポーン?」

 この音も突然響いてきたように感じるが……どうだろうか?

「……はーい」

 ととりあえず出てみようとするも、自分の住み処であるはずなのに、玄関がよくわからなくなっている……

「……ん」

 母ちゃんも弟も今はいない……

「……えーと」

 とりあえず出たつもりになってみると、そこに待ち受けていたのは、一個の郵便物のようであった……

「……ん?」単位は〝 個 〟でも〝 枚 〟でも〝 通 〟でも〝 葉 〟でもいいような代物だ。「……え?」

 この言葉の先にそのまま置かれていたかのような郵便物だ……

「……なにこれ」

 はたして物質なのかも、手紙なのかも、言葉なのかも、よくわからなくなってくるような郵便物だ……

「……これも文字?」

 少なくとも、今のわたしにはここまでと同じ文字のように見えたのが初見の印象だった。

 この文字じみて映っていたQRコードの先には、映像がひろがっていることを一番に教えてくれたのは、また違った相手だった。

「かなり画質の粗い映像ですが」

 木下さんという人だ。この人に関しては名字ははっきりと思い出せる。下の名前がすぐに思い出せないくらいのことだ。

「ここに埋めこまれているURLにある映像に」という言い方をした。「映っているのは、松波さんですよね?」

「……ですかね」

「小説以外にもこういうことをされていたんですね?」

 〝 小説 〟を取り引きする会社の担当の編集者の方である。

「へえ」

 とわざとらしく驚いてみせた声を上げてくるが、目は沈着と腰もろとも座っている……

「……よく憶えていないんです」

 と正直に言ったつもりのわたしの黒目そのものもQRコードのようにじっと見つめて、動きだすタイミングを見張っているようでもある。

「……たぶんかなり昔の」

「ほう」

「……本当にこんなものを……」

「今はきちんと文字の」と守衛や門番のようなことも実際に言ってきている……「小説をお書きになられているんですものね」

 そう。わたしは〝 小説家 〟なのだ……

「……ええ、まぁ」

「小説に行き着く過程のようなものだったんでしょうか?」

 というような質問には、即座には返答できないが……

「みなさんでワイワイ映像などを撮っていた所から、だんだんと個人で作る小説の方に」

「……個人で作る小説」きっとそうだったのだろう。「……まぁそうかもしれません」

「かもしれません?」

「……いや、ええ、まぁ、だと思い……」

 〝 ます 〟まで言い切らせずに、その頃は小説は作られていたんですか? という質問がやってくる。

「……え?」

 意味が今ひとつすぐにはつかめなかったのだ。

「で・す・か・ら」と口にしていたコーヒーも固形状に噛むしぐさを見せてから、ソーサーの溝にカップの底を圧しこんだ。「小説はその当時はお作りになっていなかったんですか?」

「……はぁ」

「お書きになられていなかったんですか?」

 と動詞を換えてもらったことで、ようやく呑みこむことができる。

「……あぁ」実際に自分の方もコーヒーに口をつけて呑みこむ。すでに冷えて固まってしまったかのように、体の中に入ってきている感触は乏しい……「……えーと」

 何で自分は即座に呑みこめなかったのだろうというくらいに、意味の方は呑みこめた。

「……んー」

 それでもこのように二の語をうまく継げなくなっているのは、単純に憶えていないからである。

「……どうでしたかね?」と自分自身に問いかけてみる調子にもなるが、何かが返ってきそうな気配はない。「……んぐぅ」

 たしかにコーヒーは空腹だったはずの体内にそのまま落ちていった証のように、胃酸とおぼしい酸味だけが返ってくる……

「まぁ書かれていたとしても、まだ小説として完成されていなかったんでしょうから」

「……ええ」

「わざわざ思い出されたくないのかもしれませんね」

 おっしゃる通り、酸っぱい思い出だったのかもしれない……

「……はい」

「すみません」

「……いえいえ」

 これは何の会話だろう?

「それでですね」いつから自分は小説を書きはじめたのかもまだはっきりと思い出せていない内に、本題に入るような口ぶりになっているが……「わざわざお呼びした用件は」

「……ええ」

 話題自体はここで変わるようではないようである。

「過去に担当の小説家が何をやられていたかなどは、こちらとしては関知しませんので」まだ残っていたのだろうコーヒーカップを傾けてから、一度小声になった。もちろん犯罪などを引き起こされていたら関知せざるをえないケースもありますが……「基本的には関知しませんので」

「……はい」

 いったい何の話だろう?

「そちらからお伝え願えませんか?」

 誰に? と再び心の中でつぶやいてみてから、発言用に敬語に切り替えるので、何だか今はいっぱい一杯だ……

「……誰にですか?」

「で・す・か・ら」

 たしか二、三分か七、八分くらい前にも出てきたと思うこの言葉とリズムが、わたしは何だか嫌いだ……

「……はい」

「この送り主のかたに」

「……送り主のか……」「松波さんの学生時代の同級生を名乗る」「……同級生」「サークル仲間を名乗る」「……サークル仲間?」

 そこまでその封書の文面には書いているのだろうか?

「……はい?」

 さきほど渡されて一読した限りでは、そこまでのことは書かれていなかったはずである……が、自信はない。

「……そんなことまで」もしかしたら書かれていたのかもしれない……「……書かれ……」

「何通も送られてきているんですよ」

 と字面のように眉間に皺を寄せて、計四通の封書を渡してくる……

「……四通」今一度指で数え直してみると、五通であった……「……あっ」

 指先もかぴかぴに乾いているのだ……

「もう送らないように、そちらからお伝え願えませんでしょうかッ」

 と〝 ? 〟のようには語尾は上がっていない。

「いいでしょうかねッ」

 むしろ巻きついてくるかのように、わたしも息苦しい返答となる。

「……しかし……」

 連絡先を知らないのだ……きっと。 

「記されていないんですよ、連絡先は」条件はほぼ同じようである。「ヨッカイティニシという消印があるだけで」

「……ヨッカイティニシ?」

「ええ、まぁ」

「……ヨッカイ……」

「ヨッカイティニシです、東西南北のニシ」という説明によって、ようやく〝 西 〟ということはわかる……「ヨッカイティ西郵便局の消印ですね」

 どうやら地名をさしているらしいが、ヨッカイティなどという場所をわたしは知らない。

「……ヨッカイティ」

 海外だろうか?

「松波さんって、たしかそちらの方角じゃなかったですか、ご実家?」

 という言葉によって、ようやくわたしにもわかる。

「……あぁ」実家がどうこうという言葉以前の〝 そちら 〟という発音によって、ようやくわかったのである。「……そてぃら」

 というように、わたしの耳にはきこえたのである。

「まぁそうです」

 と編集者の方もいちいち訂正してこないことからしても、このように反復されたり、きき返されたり、悪意をもってマネされたりすることの一切には、馴れきっている様子である。

「その辺じゃなかったですか、ご実家?」と〝 そちら 〟を〝 その辺 〟に言い換えているようでもある。〝 ち 〟という発音が〝 てぃ 〟になってしまっていることについては、重々自覚しているのだろう。「その……」

 後続の言葉に詰まったようでもあるので、わたしは代わりに発音した。

「……ヨッカイ西」

 つまり〝 四日市西 〟ということだ。

「ええまぁ」とべつにそのようなことを有り難迷惑でもあるかのように淡々と返事をする。もうずっとそう伝えてきているじゃないかということでもあるのだろう。「ご実家はその辺ですよね?」

 わたしの方もここはすんなり頷き返したいところでもあるのだが、事実は異なる。

「……今は実家は関東の方にあるんですよ」自分の実家の住所くらいはさすがに憶えている……はずだ。「……両親も元は関東の人間で、両祖父母も関東の人間で……」

 と経緯を遡りながら、頭の中で市・区・丁まで順に思い起こしていくものの、番地が出てこない。

「……一……七……六……」と、つい頭と口の境界もこえてしまったのだろう。「……八……いや……六……」

 というような感じだったのだろう独り言を、対面の相手に拾われる。

「何をいきなり言い出しているんですか?」発語の問題があるのはこっちの方のように扱ってくる。「何かの番号ですか? いきなり」

「……いえいえ」

「銀行の暗証番号など?」

 いやいや、さすがに銀行の暗証番号などいきなりつぶやいたりしないでしょう。認知症を患った年寄りじゃないんですから……とツッコんだつもりだが、語調のキレが壮年代にしては弱い。

「……いやいや」

 ここ最近自覚はきちんとしているつもりの体調の一切合切が認知症の症状に丸かぶりのようにも感じられてくる……

「……いやぁ」〝 認知症 〟でよかったんだっけか……〝 痴呆 〟だったっけか……「……えーと……」

 〝 ここ最近 〟と思いこんでいる期間自体がすでに久しく、一年二年すでに苛まれているようにもだんだんと感じられてくる……

「とりあえずこのかつてのサークル仲間に伝えてくれませんか?」

「……いやぁ……」

 いや、二年三年……

「一昨日も送られてきたのです」

「……んー……」

 五年、六年……

「新しい映像と共に」

「……はぁ……」

 七年、八年……

「もう送られてきてもこらは見ませんので」

 と文脈がはっきりとしていれば舌の上からこぼれ落ちているような〝 てぃ 〟の音も〝 ち 〟ときちんときこえてくることも思い返しながら、九年、十年、十一年……と続けていく。

「……ええ……」わたしは一体何年前に〝 小説家 〟になったのだろう……「……はい……」

「……えーと……」

 商業ベース的には〝 二〇〇八 〟という西暦がアドリブの利かない家長のように脳内に居座っているが

「……十二年、十三年、十四年」

 と遡っていく年数の方はどんどん思いも寄らぬ方向に進んでいっている……気がする。

「……十五年、十六年、十七年」とつい再びつぶやいてしまっていても、もう目の前に自分を注意する相手はいない。「……十八年、十九年、二十年……」

 自分は……わたしは……おれは……ぼくは……いつから〝 小説 〟を書き始めたんだろう?

「……二十一年……二十一年?」

 いつから小説をつくり始めたんだろう? という方が、今は何となくしっくりとくる感覚だけを連れ立っているのだ……

( 続きは本篇にてお楽しみください )